当社は船舶貸渡しを生業とする外航海運会社として2022年3月、大きな節目となる創立50周年を迎えました。
ここ十数年の当社の歩みを振り返りますと、2008年のリーマンショックによる海運バブル崩壊後目まぐるしく変動する世界の海運市況の中で、当社は船舶保有の構造改革・ガバナンスの再構築・財務基盤強化の3つの経営課題に積極的に取り組み、クアラルンプール、シンガポールのグループ会社を含め、サステナブルでグローバルな事業体へと変革を遂げることができたものと確信しております。
現状の当社グループを取り巻く事業環境は、世界経済の変動を受け高いボラティリティを示す海運市況に加え、地政学的リスクの高まりや海洋・地球環境問題、感染症対策への対応等、まさに激動の最中にあります。
この先行きの読めない不透明な事業環境下に於いて、当社グループは安全運航・効率運航の徹底を実践し、船隊ポートフォリオの最適化を図るとともに、環境対応分野に於いてはGHG排出削減へ向けたトランジションの一環としてLPG燃料炊きデュアル・フューエル船の導入をいち早く推進し、次世代の新たなビジネスモデルの構築に向けた戦略的プロジェクトへの挑戦を継続してまいりました。
また当社は、会社の基本理念である「社会との共生」という精神に基づき、これまで国の内外において様々なCSR活動を実施してまいりました。これからも当社グループの事業活動に関わる全ての国々の文化や価値観を尊重し、海洋・地球環境保全を中心とした社会貢献活動に積極的に取り組んで行くことで、国際社会の一員としての責任を果たしていく所存であります。
今後の海運界は、不透明な国際情勢と多様に変化する経済状況に引き続き翻弄されていくものと推察されます。
しかしながら、いかなる環境下にあっても、当社グループは持続的な企業価値の向上を目指し、機動的かつ戦略的に対応することで、少人数ながらも世界に誇れるグローバル企業として、荷主・傭船者・株主等全てのステークホルダーの皆様の信頼を得られるよう、当社グループの未来に向けて新たな企業価値を創造していきたいと考えております。
2022年4月
代表取締役社長
向江 信孝